Dear Anemone第1話感想

私は週刊少年ジャンプを毎週読んでいるのですが、今週号(2024年12号)から始まった新連載「Dear Anemone」が気になったので、感想などを描いていきたいと思います。

1話から圧倒的な緊迫感・絶望感

未知のウィルスによって無法地帯と化したガラパゴス諸島。主人公の鉢植萼(はちうえがく)は、日本政府が派遣した調査団として上陸するというお話。上陸したそばから、異常な進化を遂げた怪物に襲われます。団員たちは当然武装はしているのですが、銃は全く通じず、1話にしてもう何人か殺されてしまいました。

1話にしてこのスピード感・緊迫感・緊張感は凄まじいものがあります。否応なしに読者を引き込むパワーがあるのです。ジャンプは読者アンケートの結果を重視する「アンケート至上主義」を実践していますから、1話でいかに読者の心を掴むかが非常に重要です。「Dear Anemone」の第1話は、その意味では高いレベルで成功したと言えるでしょう。

描き込みが凄い

「Dear Anemone」を読むとその描き込みの凄さに驚かされます。特に怪物や背景の描き込みが凄い。少し調べたところ、作者の松井琳先生は本作が初連載だそうです。新人作家とは思えぬクオリティに期待が高まりますが、果たして過酷な週刊連載でこれだけの描き込みの質を維持することができるのか心配にもなります。

既視感が強い

私はこの作品を読んだ時に「地獄楽だ」と思いました。Xで感想を読んでみたところ、同じように感じた人は多かったようです。主人公たちが未知の島に入り、怪物たちに苦戦を強いられるというコンセプトは確かに地獄楽によく似ているのです。現代版地獄楽とでも言いましょうか。

またテラフォーマーズに似ていると指摘している人もいました。ヒロアカに似ているという声もありました。このようにDear Anemoneは、似ている作品をいくつも挙げることができてしまえるというのが現状です。今後の展開で独自性を引き出すことができるのかが、評価のポイントになるでしょう。

人物の描き分けに課題

怪物や背景の描き込みは秀逸と書きましたが、人物の描き分けには課題があるように感じます。調査団のメンバーの描き分けが甘く、誰が戦っていて、誰が殺されたのか一読しただけではわかりにくいのです。

作者が人物の描き分けが苦手なのかもしれません。あるいはすぐ死んでしまうキャラをデザインする余裕がなく、主要キャラと似たようなデザインで処理したのかもしれません。どちらかと言われれば、後者ではないかなと私は思います。

今後に期待

類似の作品がある、人物の描き込みが拙いなどの課題はありますが、最近の新連載の中では珠玉の出来であり、読者を惹きつけるパワーを持った作品だと感じたのは確かです。怪物だらけの島でサバイバルというのも週刊少年ジャンプでは珍しい試みなので、ぜひ頑張ってもらいたいところです。

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