虎杖君、後を頼みます~呪術廻戦第42話感想~

呪術廻戦第42話を見たので感想を書いていきます。

ネタバレがありますので、ご注意ください。

戦闘と浜辺

左半身に酷い火傷を負った七海。それでも彼は改造人間を狩りまくります。この時、七海の心はマレーシアのクアンタンに飛んでいました。家を建てよう、読んでいなかった本を読もう、そんなことを考えながら改造人間と戦うのです。

普段の七海は、物事を冷静に見極めることのできる現実主義者という側面が目立ちます。クアンタンの浜辺を空想しながら戦うというのは彼らしからぬ行いです。それだけに七海の死が近いことを視聴者に印象付けました。

凄惨な戦闘シーンと、穏やかで雲一つないクアンタンの浜辺。この2つは鮮やかな対比をなしており、非常に印象的なシーンとなりました。

虎杖君、後を頼みます

改造人間を屠った七海でしたが、真人に背後を取られ己の死を悟ります。その時、駆けつけてきたのは虎杖でした。七海は「虎杖君、後を頼みます」という言葉を言おうとしてはためらいます。その言葉は虎杖にとって呪いになりかねないからです。

その時、夢か幻か灰原が現れ、虎杖を指差し頷くのです。これを見た七海は「虎杖君、後を頼みます」と言い残して真人に殺されてしまいました。

灰原は何か言ったわけではありませんので、仕草や表情から読み取るしかないのですが、「虎杖なら大丈夫だ」ということだったのではないかと思います。

虎杖vs真人

宿儺が大勢の人を殺し、街をめちゃくちゃにしたことで、虎杖は精神的に大きなダメージを負ってしまいました。そこへ追い打ちをかけるように七海が殺されてしまったのです。心が折れてもおかしくない状況ですが、虎杖は怒りに任せて突っ込んでいき、虎杖vs真人の戦いが始まります。

この戦いの中で、ちょっとした問答がありました。虎杖が「なぜ人の命を弄ぶのか?」と問うと、真人は「お前は俺だ」と答えます。この答えは真人曰く「ペラッペラの答え」なんだそうです。

真人が人の命を弄ぶのは、それが楽しいからです。そこに合理性も整合性も何もありません。ただただ楽しいから、快楽のために人を弄び殺すのです。彼はいわゆる「純粋悪」として描かれているキャラクターだと私は思います。

人を殺す真人、人を助ける虎杖。一見対極に見える二人の一体どこに同じだというところがあるのでしょうか?虎杖は正しい死、間違った死というものに囚われています。しかしながら、正しい死とはどんなものか問われると、本人もよくわかっていないのです。つまり虎杖の「正しい死に導くために人を助ける」という行いに、明確な意味づけをすることはできないということになります。

一方の真人が人を殺すのも、快楽という以上の意味はありません。あってないようなものです。双方ともさしたる意味づけができないままに、片や人を助け、片や人を殺すのです。この「自分の行いに意味づけできないこと」が二人の共通点であり、真人が「お前は俺だ」という理由なのではないかと私は考えました。

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