ドラゴンボールに似ている～葬送のフリーレン第10話感想～

葬送のフリーレン第10話「強い魔法使い」の感想を書いていきます。

ネタバレを含むのでご注意ください。

魔力を抑える

フリーレンは普段、魔力を抑えていることが明らかになりました。その理由は「魔族をだまし討ちにするため」。魔族は魔力の強さで地位が決まるため、魔力を抑えて生活することなど考えられないのだそうです。魔族には魔力を抑えるという発想がない、ゆえに抑えた魔力を見て油断する、一気に魔力を開放して片を付ける、という戦術らしいです。

ドラゴンボールとの類似性

「ドラゴンボール」では、悟空たちは普段気を抑えています。戦いになると気を全開にするのです。なぜこういうことをするのかというと、体への負担を減らすためです。また気を抑えることで敵に見つかりにくくなるというメリットもあります。ナメック星で悟飯とクリリンは気を抑えて、フリーザ軍やベジータに見つからないようにしてましたよね。抑えていた気を急に高めることで、仲間に知らせるということもできます。

葬送のフリーレンにおける魔力を抑えるという発想は、ドラゴンボールにおける気を抑えるという発想に類似したものを感じます。ドラゴンボールに親しんだ視聴者ならフリーレンの10話を見て、「ドラゴンボールみたいだ」と思ったのではないでしょうか。

だまし討ちだけがメリットか？

大魔法使いフランメは、魔力を抑えて魔族をだまし討ちにする戦法を考案し、フリーレンに教えました。そのフランメは魔力を抑えるメリットについて、魔族をだまし討ちにできるということしか言及していません。

本当にそれだけなのでしょうか？高い魔力をダダ洩れにしていると、一般人は体調が悪くなるとか、物が壊れるとか、体に負担がかかるとかいうことがありそうなものです。こういうことを魔力を抑えるもっともらしいメリットとして設定することは、作者ならば簡単でしょう。しかし作者はそうはしませんでした。きれいごとを抜きにして、フリーレンの魔族に対する憎悪を鮮明に描き出すためでしょうか。

長命で勤勉な奴が最強

フリーレンの世界では、魔力の高さは修行時間に比例するようです。そして修行時間は寿命の長い者ほど多く確保できます。才能よりもいかに長命な種族に生まれるかが重要に思われます。つまり長命でかつ勤勉な奴が、最強の魔法使いになるということのようです。フェルンがいかに天才であったとしてもせいぜい100年しか生きられず、1000年以上生きているフリーレンを超えることはないということがほぼ決まっているのです。