どうする家康27話感想

どうする家康27話「安土城の決闘」を視聴したので感想を書いていきます。

ネタバレを含みますので、視聴済みの方のみご覧ください。

信長と家康、最後の対面

恐らく信長と家康が面と向かって語らうのはこの27話が最後であろうと思います。作中でも非常に重要なシーンです。信長はあまりにも多くの人を殺し過ぎたが故に罪の意識に苛まれています。父に人を信じるなと教え込まれた彼は、人を殺し続けることでしか天下に近づくことはできなかったのです。

信長と似たような人物を、我々は昨年の大河「鎌倉殿の13人」で見ました。源頼朝と北条義時です。頼朝もまた人を信用せず殺しまくりました。義時はそんな頼朝を見てきました。執権になった義時は頼朝と同じ方法を採ります。それ以外の方法はわからなかったのです。義時の息子の泰時は父とは異なり、法による統治を試みます。泰時が皆の希望になることを匂わせて物語は終わります。

話を戻します。罪の意識に苛まれた信長は「覚悟はできている」と家康に語り、家康の殺意を承知したうえで「本能寺で待っててやるから、やってみろ」と言うのです。そんなに俺の首が欲しければくれてやるというわけです。信長はもう終わりにしてもいいと思っていたのではないでしょうか。人を殺し続け、進み続けることに疲れたようにも見えました。幕を引いてくれるのが家康ならそれもいい、そんな感じに見えたのです。

結局は復讐のため

信長に比べると家康は面白みに欠けます。結局、彼が信長を殺したいのは妻子の復讐のためでした。瀬名の夢を実現するために信長が邪魔だから殺す、というわけではないようです。26話で信長を殺すと言った時の冷めきった感じが、どうも復讐だけではないように感じたのですが、結局は復讐のためでした。深読みしすぎました。

鯉の臭い

宴の席で鯉から変な臭いがすると家康が言い出します。結局これは光秀を信長から遠ざけたい徳川一派の芝居でありましたが、家康が安土城に来る前に、信長と光秀が毒を入れるかどうか密談していたこともあり、信長には本当に毒を盛ったように思われたようです。しかしどこかで思い直したのでしょう。後に信長は家康に本当に鯉から変な臭いがしたのかと問うています。

この件に関して、光秀は無実です。偶然に偶然が重なり、濡れ衣を着せられてしまいました。そして光秀は信長に折檻された挙句に失脚してしまいました。本作において散々嫌味な男として描かれた光秀でありましたが、こうなるとさすがに哀れです。光秀が家康に謝罪にくるシーンでは家康に対する恨みがにじみ出ていました。ラストの本能寺の変が起こった後と思われる場面では、「家康がやった」みたいなことを兵士が言っていました。あれは光秀が家康を恨んで流したデマでしょう。

家康は本能寺の目と鼻の先にいるようですが、結局光秀に先を越されると思います。そうでないと話がつながらないので。

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