あのことを今の虎杖に言う必要はない~呪術廻戦第44話感想~

呪術廻戦第44話を見たので感想を書いていきます。

ネタバレを含むのでご注意ください。

東堂参戦

七海を殺され、釘崎は顔面を吹っ飛ばされて致命傷。虎杖の心は完全に折れてしまいました。そこへ駆けつけたのは、虎杖の「ブラザー」を自称してやまない東堂です。この東堂というのは、虎杖と初めて会った時に、女の好みがぴったり合ったのをきっかけに、自分と虎杖は昔からの親友(ブラザー)というありもしない記憶を頭の中にでっちあげ、その通りに振る舞うという変態です。

しかしこの東堂、ただの変態ではありません。呪術師としての生き方を説き、虎杖を立ち直らせました。変な人ではありますが、呪術師としてはとても頼りになる存在です。

「あのこと」とは?

虎杖と合流した東堂は「あのことを今の虎杖に言う必要はない」と心の中で呟きます。「あのこと」とは一体何のことでしょうか?

虎杖に会う前、東堂は五条が封印された現場・新宿駅地下5階に赴き、獄門疆がないことを知ります。つまり「あのこと」とは、「夏油が獄門疆を持ち去ったこと」だと考えられます。夏油もいない、獄門疆もないとなると、もはや渋谷駅で戦う意味がありません。だから東堂は「仲間を助けつつ、できる限り敵を減らす」ことに目的が変わったと言っているのです。要は撤退戦です。

では、なぜそのことを虎杖に言わなかったのかということが問題になります。それは虎杖の精神が限界だったからでしょう。虎杖に「もうここに獄門疆にない」と言ったら、さらに混乱することは間違いありません。夏油がどこにいるかわからない以上、いたずらに混乱させるだけでメリットがありません。何より今は虎杖をどうにか立ち直らせる方が先決だと東堂は考えたのでしょう。

釘崎は死んでいない?

東堂と同行してきた新田によると、釘崎は呼吸も脈も止まっているが、時間のたたないうちに術式を施したので助かる可能性はゼロではないということらしいです。新田の術式は傷の悪化を止めるというもの。釘崎はいわゆる仮死状態というところでしょうか。作者自身、釘崎を生かすか殺すか保留にしているように私には見えます。

ところで、この新田というキャラクターは天然っぽいところがあります。緊迫したシチュエーションなのに、虎杖と東堂が兄弟と本気で信じ込んで「似てないなぁ」などと呟いたりしています。場面が重くなり過ぎないようにという作者の配慮でしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました