簡単な速読術

読書

もっと速く本が読めるようになりたいなどと思うことはありませんか?こうした悩みを解決するためには速読術を身に付けるのが一番です。

今回紹介する速読術は、「知りたい情報が書いてあるところだけ読む」というものです。速読教室に通ったり、視野を広げたりする必要はありません。

その代わりに、本文を読む前に情報収集をします。表紙・カバー・帯・まえがき・あとがき・目次をまず読みます。本文を読む前にしっかりと情報収集しておけば、読むべきところが明確になり、そこだけを読めばいいわけです。

私はこの速読術を始めてから月20冊以上読めるようになりました。特殊な技術や訓練はいりません。何冊か練習してみればモノにできます。

それでは速読術について解説していきます。

速読は30分

私の速読は所要時間30分と決めています。30分にしたのは、何時間もかけたのでは速読になりませんし、平日ではまとまった時間を取りにくいからです。 30分という締め切りを設けることで集中力を高めるという狙いもあります。

速読には目的が必要

速読には目的が必要です。目的もなく漫然と読んでいたのでは速読はできません。本屋でビジネス書を買った時、「○○〇について知りたい!」という思いがあったはずです。この「○○〇について知りたい!」が目的になります。ただ「○○〇が知りたい!」だけでは速読するのは大雑把すぎることがあります。つまり、何が知りたいのかをもう少し具体的にしなければならないのです。得たい情報が明確になれば、それが書いているところだけを読めばよいので速読ができるようになります。

1冊30分で読む

最初の10分でやること

目的を明確にするためには、本の表紙・カバー・帯・まえがき・あとがき・目次を読みます。これらに割くのは最初の10分間です。順に解説していきます。

表紙・カバー・帯を見る

私たちが最初に見るのは表紙です。表紙を見て、その本を手に取るかどうかを決めます。表紙で興味をそそらなければ、その本を手に取ることはありません。つまり表紙というのはその本の売り上げを左右するものなのです。となれば著者や編集者は表紙に相当な力を入れているはずです。

表紙にはタイトルやサブタイトルが書いてあります。タイトルやサブタイトルはその本がどのような本かを端的に表しており、どんな本かを理解する大いなる助けとなります。

新刊本の場合には帯が巻いてあることがあります。この本のキャッチコピーとか、本の中に出てくる印象的なフレーズが書かれています。本の内容を箇条書きで書いてあったりもします。帯があったら必ず読みましょう。

カバーの折り返し部分には著者の経歴などが書いてあります。著者がどういう人なのか知る手掛かりになります。

まえがき・あとがきを読む

まえがきやあとがきには、著者の思いが書かれています。この本で何を主張したかったのか、何に力を入れて書いたのかなどがわかるのです。また著者自ら本の構成について解説してくれていることもあります。速読では読むべきところを絞り込みます。そのため著者が主張したいところを外して読んでしまう恐れがあります。これを防ぐために、まえがきやあとがきで著者の思いを理解しておく必要があるのです。

目次をよく読む

続いて目次をよく読みましょう。目次は本の構造を教えてくれます。ビジネス書などは大体詳しい目次が付いています。目次まで読めば、自分の知りたい情報が書いている箇所がわかります。そこをよく覚えておきましょう。後でわからなくなりそうだという人は付箋を貼っておくと安心です。慣れないうちは目星をつけるところを3箇所くらいに絞るとよいです。

ここまでで10分です。まだ本文は1行も読んでいません。しかし、その本についてかなりの情報を得ています。自分の知りたいことは何か、その情報はどこにあるか、本を開く前よりはかなり把握しているはずです。

残り20分で重要なところを読む

最初の10分で目星をつけたところを、残りの20分で読みます。それ以外のところは目もくれません。とにかく目星をつけたところだけを集中して読みます。

読み終わった後は

1冊30分で速読したわけですが、読んだ後にいろいろ思うところがあると思います。どう思ったかでその後の方針を決めます。

「つまらない」「難しい」→もう読まない

「つまらない」「難しい」などと思ったら、そこでその本を読むのを終わりにします。続けて読んだとしても得られるものは少ないと考えられるからです。もっと別の面白い本、易しい本を探して読んだ方が効果的です。

「もっと読みたい」→精読

「もっと読みたい」「この本は全部読んだ方が良さそう」などと思ったら、その本を最初から最後まで通読します。これを私は「精読」と呼んでいます。速読でいいなと思って精読に切り替える。実はこのケースが多いです。速読は精読の前の下読みであり、精読する価値のある本を選別する「ふるい」でもあるのです。速読だけにこだわる必要はありません。速読と精読を状況によって使い分けるのが賢い読み方です。

速読できない本

残念ながらすべての本が速読できるわけではありません。速読術は魔法ではないのです。どんな本が速読できないのか解説していきます。

小説

小説は速読できません。前から後ろに順を追って読むように構成されているからです。例えばミステリー小説でいきなり犯人当ての終盤部分を読んでしまったら面白くありませんよね。

逆に言えば、小説以外の本は前から後ろに順を追って読まなくても良いのです。どこから読み始めてもいいし、どこで読むのを止めてもよいのです。全部読む必要もなければ、最後まで読む必要もないのです。

速読する時は、まず目次をよく読もうという話をしましたが、そもそも小説に目次が付いてないということがあります。目次が付いていても、ビジネス書や専門書に比べると大雑把なことがほとんどです。目次を読んでも内容の検討が付きません。

また小説を読むということは、ビジネス書を読むのとは全く違います。ビジネス書の場合には、そこに書かれている知識やノウハウを吸収し、日常生活に生かすことを目的としています。読んで終わりではダメなのです。読んだ後に実行してみることが大切なのです。

しかし小説の場合は、読んで楽しむことが目的となります。映画を見たり、ドラマを見たりするのと同じです。実生活に生かそうと思って、映画やドラマを見る人はあまりいないでしょう。面白そうだから見るのです。小説を読んでいる時間が楽しいのですから、速読をしてしまったら楽しい時間が短くなってしまいます。

知識のない分野の本

知識のない分野の本は速読することができません。知らないことばかり書いてある本は読めないのです。医学について学んだことのない人は医学書を読めませんよね。

では、新しい分野の本を速読したいと思ったらどうすればいいのでしょうか?入門書を何冊か買ってきて精読すればいいのです。入門書を最初から最後まで精読する、これを何冊か続けていくうちにその分野の知識が身に付いてきます。知識が付けば、知っていることが増えてきて、知らないことが書いてあるところだけを読めばいいということになります。つまり速読ができるのです。

本は全部読まなくてもいい

私の速読術をご紹介してきました。本というのは最後まで読まなくてもいいし、最初から読まなくてもよいのです。

まず、表紙・カバー・帯・前書き・あとがきを読んで、「この本はどんな本か」「この本で著者はどんなことを述べたいのか」などを理解します。次に目次を読んで、自分の知りたい情報がどこにあるのかを知り、長い本文からそこを抽出して読むだけです。速読してみて良い本だと思ったら精読してみましょう。

それでは良き読書ライフを。

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