「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」第4話を見たので感想を書きます。
ネタバレがありますのでご注意ください。
今回のキーパーソンはシイコ・スガイ。一年戦争時、魔女と呼ばれ恐れられた連邦軍エースパイロット。100機以上も撃墜したそうで、シャアの駆る赤いガンダムに相棒を撃墜されています。
このスガイ、どういうキャラクターか一言で言うと「戦争を終われない人」だと思います。ジークアクスでは、一年戦争はジオンの勝利、連邦の敗北で終わっています。しかし政治的・軍事的には戦争は終わっても、個々人の感情の中ではまだきちん終われていない。こういう造形のキャラクターは幾人もいます。映画「ランボー」のジョン・ランボー、映画「ゴジラ-1.0」の敷島 浩一、そして「機動戦士ガンダムのククルス・ドアンなどです。こうしたキャラクターの中に、スガイが連なるものと私は考えます。
スガイは「戦争には負けても、私は負けていない」などと言います。まだ彼女の中で戦争が終われていない証拠です。アムロがドアンに向けて言った言葉を借りるなら「体に染みついた戦いの臭いが戦いを引き寄せる」と言ったところでしょうか。スガイという女性は「戦いの臭いを消すことができなかった人」とも言えます。
現にスガイは、結婚し子供も生まれ、普通の暮らしに順応しようとしました。しかし赤いガンダムが現れると、再び戦いに身を投じてしまったのです。妻であり母親である前に兵士であることを選んでしまいました。
スガイはクランバトルで何を得ようとしていたのでしょうか?赤いガンダムに乗っているのはシャアではありません。赤いガンダムに勝ったところで、厳密には復讐は果たされないのです。私にすれば、スガイにとって意味のない戦いに見えます。しかしスガイはそんなこともわからないほど、憎しみで狂い、ただのゲームで命を散らすことになってしまいました。
死の間際、スガイの脳裏に我が子の姿が浮かびます。この瞬間、彼女はようやく戦いを捨て、憎しみを捨てることができました。戦いよりも子供の方が大事だと気づいたのです。しかしもう遅すぎました。事の顛末を見届けたアンキーは「バカな魔女」と呟きました。私も同感です。赤いガンダムが現れても知らぬ顔で家族と過ごせばよかったのです。
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