どうする家康35話を見たので感想を書きます。
ネタバレを含むので、視聴済みの方のみご覧ください。
怪物秀吉
本作の秀吉は、不気味とか怖いとかサイコパスだとかよく言われております。私も見ていて、どうにも得体の知れない怖い感じがあります。何かもう非人間的なところまで行ってしまっているような。視聴者が感じていたことは作中の人物たちも感じていたようで、秀吉の母である大政所ですら怪物呼ばわりしていました。
秀吉の欲望は留まるところを知らず、天下統一の後は明の国を視野に入れています。つまり朝鮮出兵のフラグが立ったということです。秀吉を良い人間に描きすぎると朝鮮出兵の動機付けが難しくなりますが、本作では動機付けは容易です。秀吉が征服者にして欲望の権化であるならば、国内に征服する土地がなくなれば海外に打って出るのは自然な流れでしょう。
家康と三成の邂逅
35話で遂に家康と三成が出会いました。言うまでもなく、この二人は関ヶ原で天下を争うことになります。しかしながら二人の初対面は予想外に穏やかなものとなりました。星を見ていた三成に家康が話しかけ、星座の談議に花が咲いたのです。第一印象としては、お互いにとても良いものになったのは疑いありません。家康と三成の邂逅をこれほど友好的に描いた大河ドラマはこれまでになかったのではないでしょうか。
もしこの二人の関係がこのまま続くようであれば、関ヶ原の戦いが起こることはなかったでしょう。しかし史実に沿って行くならば、この関係はいずれ破綻することになります。家康は天下取りの野望を復活させ、三成はそれを食い止めようとするのです。結末を知ったうえで家康と三成の邂逅を見ると、何だか切なくなってしまいました。
稲姫登場
今回から稲姫が登場しました。序盤から登場している割に、素性をなかなか明かしてくれません。曽於の変わりに周囲から「お父上によう似ておられる」みたいなことをやたらに言わせるのです。
素性が明かされたのは終盤、家康と真田昌幸の会合で、昌幸が信頼の証として家康の娘か重臣の娘を嫁にもらいたいと言い出します。そこで場面が切り替わり、生け花をやっている女性と後ろにいる平八郎が写り、女性が稲姫であること、父親は平八郎であることが明かされます。この仕掛けはなかなか面白いなと思いました。週を跨いでやるならちょっと興ざめしますが、1話の中に収めるなら良い仕掛けです。
そもそも事前にキャスティングをしっかりチェックしておけば、出てきてすぐに気づいたのでしょうが、私はチェックしてないので最後に気がつきましたw
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