どうする家康26話感想

どうする家康26話「ぶらり富士遊覧」を見たので感想を書いていきます。

ネタバレを含みますので、視聴済みの方のみご覧ください。

家康の変化

家康は信長に従順に従うようになりました。今までも従ってはいたのですが、従うまでに家臣に散々愚痴をこぼしていたものです。しかし今回はその愚痴すらない。平八郎などは腑抜けたと早合点していましたが、私は家康に何を考えているかわからない不気味さを感じました。

ところで過去の大河ドラマの家康にあって、どうする家康の家康になかったものって何だと思いますか?私は腹の底が読めないしたたかさだと思います。信長は家康を「腹のうちが読めぬ、化けた」と評しました。まさに家康がしたたかさを身に付けた証左と言えるでしょう。

この26話で、家康と信長、家康と秀吉のやり取りを見て、ようやく家康が信長と秀吉の同レベルの武将として描かれるようになったなと感じました。そのための代償はあまりに大きかったわけですが……。

えびすくい

家康が嬉々として信長にえびすくいを披露していました。所作がきれいだとか、動きにキレがあると思いましたけれども、それはひとまず置いといて。今までの家康はえびすくいなんぞやらなかった。しかし信長のご機嫌を取るために恥も外聞も捨ててやっている。ここになりふりかまわぬ男の恐ろしさを見ました。

着物の色が濃くなった

今回から家康の着ている着物の色が濃くなったと感じました。家康はもっと明るい色の着物を着ていました。昨年の大河「鎌倉殿の13人」では、北条義時の着物の色を徐々に濃く、暗くしていくことで、彼が闇堕ちしていく様を視覚的に表現していました。

またスターウォーズでも、ルーク・スカイウォーカーの服の色を濃くしていくことによって、彼が暗黒面に近づいていること端的に表していました。これらと同様に、家康も着物の色を濃くしていくことによって、闇堕ちを表現しているのではないでしょうか。

動機は復讐?

26話のラストで家康は家臣らの前で、「信長を殺す。わしが天下を取る」と宣言しました。なぜ家康は信長を殺そうとしているのでしょうか?信康や瀬名の復讐のためでしょうか?

私は復讐ではないと思います。瀬名の理想を実現するためではないかと思います。瀬名の策は勝頼の裏切りにより頓挫してしまいました。恐らく家康は、瀬名の策を実現するためには、まず力を持って世を平定するしかないと痛感したのではないでしょうか。

だから瀬名の理想を継承して実現するためには、まず家康が天下を取らねばならないのです。そして信長がいては家康は天下を取れません。ゆえに家康は信長を殺すつもりなのです。

瀬名や信康のことで、家康が誰かを恨むとすれば、それは信長でもなく、勝頼でもなく、ほかならぬ家康自身ではないでしょうか。彼の抱える怒りや悲しみは、もはや天下を取ることでしか晴らせない、もしかしたら天下を取っても晴らせない類のものなのかもしれません。

7月23日は本能寺

7月23日放送分で本能寺の変を描くそうです。また作中の時間でもすでに本能寺の変まで46日に迫っています。「信長を殺す」と家康に宣言させた以上、何が何だかよくわからないうちに信長が殺されたという描き方はしないと思います。何らかの形で家康を本能寺の変に関わらせるものと予想されます。

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