どうする家康22話「設楽原の戦い」を見ましたので、感想を書いていきます。
ネタバレを含みますので、視聴済みの方のみお読みください。
どうぞどうぞ
今回は長篠・設楽原の戦い。鳶ヶ巣山の砦を夜襲すべきと酒井が進言し、信長や家臣らの一芝居があって、家康に押し付けるまでの流れが、まるでダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」でしたね。大河ドラマにこういうコミカルな演出はどうなんだという声もあるでしょうが、私は楽しんで見ている派です。
信玄を超えたい
鳶ヶ巣山の砦を家康が落とし、武田軍の包囲が完成しつつあるところで、勝頼は決断を迫られました。引くのが上策という中で、勝頼は攻めることを選びます。理由は「信玄を超えたいから」でした。
偉大なる父を超えようとする2代目の悲哀が込められたシーンでしたが、結局無策で突っ込んでいくような展開になってしまい、3000丁の火縄銃の餌食になってしまいました。これまで勝頼を有能な武将と描いていたのに残念な決断となってしまいました。
信長と秀吉
鉄砲で見るも無残に散っていく武田軍。その武田軍を秀吉は虫けらと笑い飛ばし、信長は敬意を払って見届けます。
恐怖政治を敷いた信長ですら相手を敬う武人としての心を持ち合わせているのに、秀吉にはそれがないということを端的に描いているシーンです。本作の秀吉はなかなか好きになれませんね。徳川視点のドラマだから秀吉を下げてくるのはわかりますけど、下げすぎじゃないでしょうか。
最も恐るべき相手
長篠の戦いが終わった後、信長は碁を打ちながら家臣たちと「織田にとって最も恐るべき相手は誰か?」という話をします。この時、信長の真意に気づいたのは秀吉だけでした。秀吉だけが信長についていけるレベルということです。品性に問題があるとしても、秀吉の能力自体は非常に高いのです。その二人がこぞって警戒しているのは家康でした。いわば家康もこの二人と同等と見なされたと言えます。
私たちは後々の歴史を知っているので、この評価が正しいことがすぐにわかります。しかしこの時の信長や秀吉は長篠の戦いが終わった時点の家康で評価するしかありません。家康の生涯を一通り知っている私たちとは情報量が全く違うのです。
22話時点の家康はとりたてて戦上手という感じではなく、情けなくて弱気なところばかりが目に付く印象です。武田軍を粉砕した信長・秀吉が警戒するほどの武将とは思えないのです。一体何をそんなに恐れているのか、何話か先で明らかになるといいですね。
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