「コーダ あいのうた」感想

金曜ロードショーで「コーダ あいのうた」を見たので、感想を書きたいと思います。

主人公一家

主人公のルビー・ロッシは、歌が上手いのに、人前ではなかなか歌えない、そんな女子高生です。彼女は父フランクと母ジャッキー、兄レオと4人で暮らしています。この家族のうち、耳が聞こえるのはルビーだけ。父と母と兄は耳が聞こえないのです。

父と母と兄は手話を習得していますが、一般の人はそうとは限りません。そこで手話もできて、普通に会話することもできるルビーが、家族と他者との通訳を担います。家族はルビーを解することによってコミュニケーションが可能になります。家族にとってルビーは自分たちと社会とをつなぐ架け橋というわけです。

ルビーは家族にとってなくてはならない存在ですが、そのことがルビーを家庭に縛り付ける要因にもなっています。

家族か、夢か

ルビーは歌うことが大好きな少女です。しかし人前で歌うのは苦手です。そんな彼女が思い切って合唱部に入ったことで変化が起こります。合唱部顧問のV先生はルビーの才能を認め、バークリー音楽大学への進学を勧めます。

しかしルビーの歌を聞けない家族は困惑します。また通訳でもあるルビーが離れてしまうのは痛手です。通訳を雇えば済む話ではあるのですが、お金がないのです。

家族をとって家業を手伝うか、夢を追って音大に進学するか、ルビーは大いに悩みます。青春映画によくあるストーリーラインですが、耳が聞こえない家族と通訳を担わざるを得ない主人公との関係性がドラマを生み出しています。

特別扱いしないV先生

音大への道を示し、指導してくれたV先生はルビーにとって恩師のような存在です。彼はルビーを特別扱いしません。もちろんルビーの家庭事情は知っていたでしょうが、レッスンの遅刻は許しません。ルビーを特別扱いせずに、いたってフェアに扱います。

家庭の事情など相手方が考慮してくれるとは限りません。考慮してくれないものと覚悟しておかねばなりません。社会にはそういう厳しさがあります。V先生はその厳しさを教えてくれる先生なのです。

このように書くとV先生はとても厳しい先生に映るかもしれませんが、厳しいだけではありません。やはり優しい良い先生なのです。最後まで見ればわかります。

歌を肌で感じる父

父フランクは、耳が聞こえないのに大音量でロックを聞くという奇妙な趣味を持っています。本人は「ロックはケツに響く」みたいなことを言います。つまりフランクは「耳が聞こえなくとも、肌で歌を感じようとする人」なのです。

まとめ

「コーダ あいのうた」を取り上げました。耳が聞こえない家族という点は特殊ではありますが、その他は割とオーソドックスというか正統派な映画です。役者の演技も良く、安心して見られる感じはあります。

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